メカニズムの熟成を高めていく

機械設計の仕事は、目的に必要な機能を分析し、それを実現する基本構造の発案から、すべての条件を満足する具体的な形状・寸法・材質の決定に至るまで、考えを発展させ具体化させていくことです。実際の仕事は仕様の決定から始まり、機構検討、部品一点一点の設計と試作の発注、できあがった部品の組み立てとその効果確認、さらには量産化へのフォローと多岐に渡っています。
私が現在担当しているのは、周辺機器のオプションである封筒専用給紙システムのスペックアップと品質向上を目的としたメカニズム設計です。
この仕事は、「流用」と呼ばれるいわば改良版で、既存の製品を元として、新規の本体にオプションとして設置することを目的としています。改良版といっても動作を確実に制御し、スムーズに給紙を行うようにするには、同じ機構を流用しながらも、新規部品の設計には独自の発想と工夫が要求されます。
また、印字精度の向上、給紙の動作安定など、スペック表に現れない品質向上の追求に終わりはありません。こうして、何度も改良の検討を行い、製品を熟成させていくことが、市場での信頼性の向上につながっていくのです。

画面上と実際の動きは違うもの

実際に製品の設計を行ってみると、そのメカニズムの複雑さに驚かされました。製品を正しく動作させるためには、ミリ単位でのクリアランス、0.1mmの部品精度が求められます。
キヤノンファインテックでは画面上での3Dシミュレーションを導入していますが、それでも実際の機械の動作を正確に読むことは非常に難しいものです。試作機を実際に稼動させてみると部品同士が干渉したり、部品の寸法が図面どおりに出ておらず何らかの問題を起こすことも珍しくありません。
以前、製品をバラしていた際に上司が通りかかり、上司は一目見て、センサー遮へい部の肉厚が薄すぎるんじゃないかと指摘しました。その時は図面を確認したところ問題なかったのですが、聞けばセンサーを遮断する遮へい部の肉厚が1.5mm以上(材質等によっても異なる)ないと、センサーが透過してしまう可能性があるとのことでした。問題を発生しやすい部品、注意して観察しないといけない点を上司は今までの経験で見抜いたわけです。機械設計は知識だけでない、経験が必要な職種なんだと痛感した瞬間でした。

いつかは新規開発に携わりたい

仕事をしていてやりがいを感じるときは、やはり試作機ができあがったときですね。機械設計はモノをつくったという実感を一番味わえるポジションだと思います。
私は、まだ新規製品の立ち上げを行った経験がありません。今までは、既存機構の改良が主でしたから、機構やメカニズムを全て新規開発するプロジェクトに携わることが今の目標です。
新機構をもつ製品開発はそれほど多くはありませんが、キヤノンファインテックは早くから若手に責任ある仕事任せてくれる環境ですので、小さな製品でもいいから自分の手で一から手がけるチャンスを得たいと思っています。
そのために、今の改良版の仕事から学べることはたくさんあります。先輩方の図面に、「なぜ、どうして」という疑問をもって触れてみると、一つひとつの部品の形、構造には必ず理由があることがわかります。「図面は書いた数だけ力になる」とはある先輩の言葉ですが、いつ新規開発のメンバーに選ばれても良いように今のうちに経験をつんでおこうと思います。
きっと、新規開発は苦労も多いでしょうが、喜びも何倍にもなるのではないかと想像しています。

キャリア・ステップ

2004 小型胴内フィニッシャ検討補佐
2005 周辺機器のフィニッシャ設計補佐
2006 封筒フィーダ設計担当

ある1ヶ月間のスケジュール

第1週 3次元CADによるメカ設計・図面の作成(三郷本社開発センターにて)
第2週

静岡県裾野にあるグループ会社のリサーチパークへ周辺設計のため出張

部品の試作手配およびコストについてメーカーと打合せ

周辺設計と問題点打合せ等

第3週

資料整理(茨城)
継続検討課題のスケジューリング

必要に応じて他チームの応援

第4週

裾野にてできあがった試作品の効果確認

結果について周辺設計と相談、報告書を作成する

第5週〜

予想の結果が得られなかった場合には継続して、原因の究明・対策の検討を行う

問題がなければ次の課題検討にとりかかる。

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